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産後パパ育休って?制度内容を分かりやすく解説

こんにちは、さとぽんです!

出産を終えるといよいよ赤ちゃんとの新しい生活がスタートします!

しかし、出産後のママの身体は思っている以上にダメージを受けており、身体が元の状態に戻るまで6~8週間かかると言われています(この期間を「産褥期」といいます)

この期間に無理をしてしまうと、不調が長引いたり、時には赤ちゃんをお世話できないほど体調を崩してしまうことがあります

そこで今回は、育休を取得しようか迷っているパパに向けて、

・「産後パパ育休」ってどんな制度なの?

・これまでの育休とどっちを使えばいいの?

・育休期間中のお金ってどうなるの?

という疑問にお答えしていこうと思います!

実際にさとぽんも育休を取得してみて、お金の面での苦労はほとんどなく、赤ちゃんとの貴重な期間を一緒に過ごせたことなどメリットだらけでした

少しでも多くのパパが「育休を取得しよう」と思ってもらえるように解説していきます!

産後パパ育休制度の概要

制度の概要

2022年4月に育児介護休業法の改正が行われました

この改正のポイントは次の3つ、

「産後パパ育休」が新設され、よりパパが育休を取得しやすくなったこと(パパ休暇制度は廃止)

・1歳までの育児休業を分割して取得(パパママ両方とも)できるようになったこと

・事業主(会社側)が従業員に対して、出産前に「育休を取得しますか?」という意向確認を行うことが義務されたこと

産後パパ育休は通称であり、正式には出生時育児休業といいます(以後、分かりやすくするため産後パパ育休で統一します)

「産後パパ育休」制度はざっくりというと、出産時に積極的にパパが育休を取ることができるように、柔軟に休みを取れるように規制が緩和された休業制度です

「連続して休みを取得することが難しい!」という声を受け、休業が分割取得できるようになりました!(分割せずに連続して休みを取得することも可能)

出典:育児・介護休業法改正のポイント|厚生労働省

産後パパ育休を取得するための条件は?取得できる期間は?

取得条件

産後パパ育休の取得条件は次のとおり

・出生後8週以内の子を養育する労働者(男女問わず)

・出生日もしくは出産予定日(遅い方)の8週間を経過する日の翌日から6か月以内に雇用関係が終了することが明確でないこと

(下記は育児休業でも同条件あり)

・入社1年未満でないこと

・1週間の所定労働日数が2日以下でないこと

申請期限:原則2週間前までに事業主(会社側)に申し出る必要があります

    (従来の育休は、休業の1ヶ月前まで)

取得可能な休業期間

出生後8週間までの間に、4週間(28日間)取得可能です

この休業できる4週間は、2回まで分割することができます

ここで、「出産後から4週間以上しっかりと休業したい場合はどうするの?」という疑問が出てくるかもしれません

あくまでも産後パパ育休は連続して休業することが難しい方向けの制度なので、出産後から連続して数ヶ月がっつり休業します!といった方については、最初から従来の育児休業を取ればいいという考え方です

さらに産後パパ育休の場合、「休業期間中の就業」が企業と従業員との間で合意した範囲内であれば可能となります(従来の育児休業では原則認められていません)

※後述しますが、産後パパ育休か育休どちらで休みを取得しても、社会保険料免除や給付金などに差はありません

「育休」とは別の制度です

まず最初に整理をしておくと、従来の育児休業(育休)と出生時育児休業(産後パパ育休)は別の制度です

あくまで産後パパ育休は、名のとおり子供が生まれたときに取得する育児休業です

他の制度と比較すると、

産後パパ育休育児休業パパママ育休プラス
期間出生後8週以内に
最大4週間まで
子供が1歳になるまで
(事情により最長2歳まで)
子供が1歳2ヶ月になるまで
分割取得2回まで分割可能2回まで分割可能2回まで分割可能
申請期限休業の2週間前まで休業の1ヶ月前まで育児休業給付金の支給対象期間内

上の図から、大きな違いは「取得可能な時期」と「休むことができる期間」であることが分かります

大事なポイントは、それぞれ異なる制度は併用することも可能ということ

念のため、産後パパ育休以外の制度についてもざっくりと見ていきましょう

育児休業(従来の育休)

従来の育休についてもまとめておきます

・入社1年未満でないこと

・1年以内に雇用関係が終了する予定がないこと

・1週間の所定労働日数が2日以下でないこと

申請先・期限

・事業主(会社側)に申し出る

・休業を取得する1ヶ月前までに申請する

ママの場合、産前産後休むことを義務付けられている期間「産前産後休業」がありますので、産休終了の翌日から取得でき子供が1歳になる誕生日の前日まで取得可能です

パパの場合、産休はありませんので、子の出生日から育休を取ることができます

もし、子が1歳の時点で保育所等に入所できないなどの場合、特例措置として1歳6か月まで(再延長で2歳まで)延長することができます

従来の育児休業についても2022年4月の法改正で、2回まで分割可能となりました

パパママ育休プラス

「パパママ育休プラス」は、子が1歳を超えてからも追加で、1歳2ヶ月になるまでパパとママ両方が休みを取ることができる制度です

こちらの制度についても2回まで分割取得可能です

例えば、ママの仕事復帰のタイミングでパパが追加で休みを取ることにより、保育園の慣らし保育に対応できたり、

パパとママが交代で休みを追加することにより、入園後の子供の体調不良(俗に保育園の洗礼といい、入園後は風邪を引きやすくなります)の時に活用できます

産後パパ育休の分割取得のメリットと実例紹介

産後パパ育休の分割取得のメリットや実例について解説していきます

ここにパパママ育休プラスを組み合わせると、なんとパパは計6回休みを取ることもできたりします!

・長期休業が難しい仕事環境でも休業を取得しやすい

・ママが一時的に復職をしなくてはならない場合でもパパのフォローにより、不本意な退職を避けられる

・長期的な休業によるスキルダウンを避けられる

今まで育児休業を取りたくても、連続して休みを取得することが難しい職種の方や管理職など不在になることで現在の役職に影響が出てしまう方など多くの方が育児休業を諦めざるを得ませんでした

また、女性の場合、長期の休みが難しければ退職しなければならないという状況の方もいたようです

もう一つ大きなこととして、世間的に「男性が育休を取ることは非常識」という認識が根付いている企業が残念ながらまだまだ多い現状があります

なので、パパの育児休業取得へのハードルが下がることは、「男性も育休をとるもの」という認識が一般的に広がるためにもとても重要です

最大4週間の産後パパ育休の取得事例をいくつか紹介していきたいと思います!

事例1 分割して取得

事例2 産後すぐにまとめて取得

事例3 ママが里帰りしたらまとめて取得

他にも、皆様の出産状況や仕事状況によって休業の取り方も変わってくると思いますので、会社側やご家族とよく相談し取得していただければと思います

育休取得で家計はどうなる?給付金について解説!

パパが育休を取得する際に、もう一つの大きな懸念点は「家計は大丈夫か!?」という問題です

家計を考える上で、重要なポイントは次の2つ

・生活費はどのくらい変動するか?

・給付金はいくらもらえるか?

それぞれ詳しく見ていきましょう

生活費の変動を確認する

家計を考える上で、どのくらい生活費が増えるのかを事前に確認しておくことが重要です

総務省で行っている「家計調査」で平均的な生活費を確認できます

出典:家計調査(家計収支編)|総務省統計局

まず、2人家族と3人家族での生活費の違いを見てみると

費用2人家族3人家族
食費67,573円80,554円
住居費19,294円20,040円
水道光熱費22,037円25,657円
生活用品費10,840円12,837円
被服費6,820円9,343円
医療費14,895円15,099円
交通・通信費34,348円44,465円
教育費413円10,750円
娯楽費23,118円26,428円
その他55,981円59,167円
合計255,318円304,339円

比較してみると、「教育費」と「食費」が大きく変動することが分かります

さらに、子供が1人増えることでおおよそ5万円増加することが分かります

だたしこちらのデータでは、子供が1人の違いでみた費用であり、子供の「年齢」は考慮されていません

そこで、子供の年代別の子育て費用の違いは、内閣府の「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」で確認していきます

費用未就園児保育園・
幼稚園児
小学生中学生
食費166,387円224,627円278,294円356,663円
被服費68,754円66,462円68,970円76,507円
生活用品費149,425円92,522円83,419円97,139円
医療費11,805円13,382円21,917円23,334円
保育費62,790円379,407円19,610円  ー
教育費16,021円30,414円211,331円522,665円
学校外活動費11,805円43,179円94,985円57,337円
スマホ代  ー  ー3,461円23,334円
おこづかい  ー1,216円9,228円38,889円
行事関係費59,896円41,363円32,299円34,222円
貯金・保険等199,402円187,212円163,037円179,910円
娯楽費97,127円136,383円167,044円146,710円
合計843,385円1,216,167円1,153,595円1,556,710円
※一部項目を整理しています

このデータでは、教育費や娯楽費など地域特性やそれぞれの家庭で大きく変動するものも多く含まれていますが、ポイントは「未就園児の費用の合計が一番少ない」ということ

出典:平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査|内閣府

これら2つのデータから、月に3~5万円程度生活費が増えると考えておくとよいでしょう

給付金について

産後パパ育休を取得した場合、一定の条件を満たせば出生時育児休業給付金が受け取れます

また、育児休業同様に社会保険料等が免除されます

支給要件と社会保険料の免除要件を確認してきましょう

出生時育児休業給付金の支給要件

・休業開始日前の2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること

・休業期間中の就業日数が、最大10日以下であること

社会保険料等の免除要件

・当月の末日が休業期間もしくは当月内の休業日数が14日以上であること

産後パパ育休では、休業期間中の就業が一部認められていることから、「休業期間中の就業日数を10日以内に収めること」に注意が必要ですね

給付金の額は、休業開始時の賃金の67%と定められています

(正式な支給額の計算方法:休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数 × 67%)

ここでのポイントは、「休業開始時の賃金」には差し引かれる前の社会保険料等も含まれているということ

つまり、手取りの額の67%ではないので

実際の給付金の額は、手取り額の80%程度 と考えてもらうといいと思います!

従来の育児休業給付金の額も同様なので、どちらで休みを取っても金銭面の差はありません

ただし、従来の育児休業で6ヶ月以上の休業を取得する場合、休業開始6ヶ月以降の支給額は67%から50%に減額されますので注意が必要です

事前に必要資金を計算しておきましょう

休業時の生活費の変動と実際の給付金について確認してきました

安心して休業に入るために重要なことは、休業期間中にどのくらい支出が増えて収入がどのくらい減るかを事前に把握しておくこと

もし支出の方が多くなってしまうのであれば、

①「節約」をして支出を減らす

②あらかじめ不足する分を「貯蓄」しておく

このどちらかで対応することをオススメします!

節約と貯蓄については、今後記事にしていきます

まとめ

産後パパ育休について解説してきました

休業が取得しやすくなるように、かなり柔軟な制度になっていることがお分かりいただけたと思います

実際にさとぽんも産後パパ育休と育休を組み合わせて数ヶ月間休業しました

1番驚いたことは、「想像していたほど家計は苦しくならない」です!

普段から節約を意識していたこともありますが、出勤に伴い無意識に寄ってしまうコンビニや、外食の回数が減ったことなども大きかったように思います

そして、育児休業を取得して良かったことは、

・普段の家事・育児の大変さを認識できたこと

・赤ちゃんをお世話することで、パパになった「自覚」が持てるようになったこと

・ママの体調が早く戻り、感謝されたこと

取得したことを非常に満足していますし、さらには期間をもっと長めにとっておけば良かった!とさえ思っています

是非パパの皆様には、勇気を出して育児休業を取得していただければと思います!